オーケンのエッセイを読んでいたら、新宿ゴールデン街のことを思い出した。
お店へ入ったのは1度きり。
20歳くらいのときに5歳上くらいの知り合いに連れて行ってもらった。
ジャズ好きが集まる店だった。
そんな客ばかりなのにマスターはまったくジャズを知らないし興味がない。
じゃなぜここがそんな店になったのか不思議だ。
従業員はマスター以外に女の子がひとり。
私より5歳上くらいの沖縄出身の女性だった。
昼間は百貨店で働いて夜はここらしい。
生まれて初めて食べたゴーヤチャンプルーは彼女が作ってくれたものだ。
お酒の飲めない私はカウンターでウーロン茶を飲みながら彼女に沖縄の方言を教えてもらったりしていた。
しばらくすると私の連れが常連客と危うくケンカになりそうになった。
居心地が悪くなって私たちが店を出ようとしたところ沖縄出身の彼女が私に○○くんまた来てね!とひと言。
しかし、その店には2度と行くことはなかったのでした。